聞けば、叔父さんは現在53歳。
経営コンサルティング会社を経営していたが、昨年リタイアし、
現在は好きな時に旅行をしたりして、気ままに暮らしているという。
驚くべきは現在の収入源で、シンガポールにマンションを数十棟、
その他各国に複数棟所有しているということだった。
「君が行く国に部屋が空いていれば貸してあげるよ」
という本当か嘘かよくわからないジョークまで飛び出す始末。
無学の僕でも知っているような有名企業をクライアントとして抱えていた
「超」が付くほどのやり手だった彼は現在、成功者としてするべき事として、
彼の甥や僕のような発展途上の若者と接し、会話をする中で、
少しでも成功に結びつくようなアドバイスが出来ればと考えているようで、
今回も旅行中の甥と会う為だけに
急遽滞在中のバンコクから駆けつけてきたそうだ。
甥っ子の父親、即ち叔父さんの兄もまた会社を経営しており、
話を聞く限りではこれまたかなりの規模の会社のようで、
相当な成功を収めている人物のようだった。
息子が旅行に出る時には「お小遣い」として
AMEXのゴールドカードを渡すことからも容易に想像出来る。
元経営コンサルタントの叔父さんは食事中、幾つか僕にアドバイスをくれた。
旅行中の心得、金銭の持ち方のようなものから始まり、
成功する為の秘訣に至るまで、熱心に語ってくれた。
中でも印象的だったのは、当たりまえの事だが、
常に上を見ろ、自分が駄目だと思った奴に倣うなということ。
もうひとつは、収入に対しての支出の黄金率、6:2:1:1。
また、それを実行するタイミング。
なるほどなるほどと頷く僕に、最後に彼はこう付け加えた。
「It's up to you」